会所の南側に設けられた庭園で、会所から庭を眺めつつ宴会などができた。江馬氏館の最大の特徴はこの庭園と庭園を鑑賞するための会所がともに復元されたことで、足利将軍が都に造った武家屋敷の形式を引き継ぐものであった。
庭園のあった場所は以前は水田であった。かつて水田の中に大きな五つの石があり、地元で「江馬の殿様の庭の石」と伝えられてきたが、それが発掘調査の結果本当であることが裏付けられた。石は水田化にともない倒されたり割れたりしたものもあったが、それらも元の姿に復元された。
会所の南側に庭園があり、会所から眺めることができる。庭園からは木の根が発見されなかったことから、樹木を植えず石組のみで復元された。
会所から西方向を見る。右手に主門が見える。庭園には水を引く水路や排水施設は見つからず、東堀から樋などで引水もしくは水を運搬し、排水は自然排水であったか。
庭園の南側と西側を区切る土塀
庭園の南側を区切る土塀。土塀の右手には南堀と呼ばれる堀があり、湧水が排水されていた。